統合失調症とは
かつては精神分裂病と呼ばれていた精神疾患ですが、2002年に統合失調症という名前に改められました。現実と妄想・幻覚の区別がつかない状態になります。この状態というのは、思考や感情などをまとめるとされる能力が低下することで起きるとされ、やがて日常生活に支障をきたしていきます。原因については、遺伝などの素因(その病気にかかりやすい素質を持つ人)のある人が、環境ストレスを受けることで発症するのではないかとか、神経伝達物質のドーパミンの脳内の過剰分泌仮説が有力ではと言われています。
なお統合失調症の患者様は、日本の全人口の約1%にあたる100万人程度いると言われています。つまり、それほど珍しい病気というわけでもありません。10代から20代の青年期から成人期に発症することが多く、中年期の女性での発症もあります。ちなみに患者様ご自身が病気であるという認識はありません。
主な症状ですが、大きく陽性症状と陰性症状に分けられます。前者は、幻覚・幻聴や被害妄想がよくみられます。考えがまとまらない、話が支離滅裂になってしまう、さらに緊張しすぎることで身体が固くなってしまう(混迷)・興奮して落ち着かなくなくる(多動)といった行動がみられることがあります。後者は、喜怒哀楽が乏しくなるなど感情の平板化、意欲や集中力などの低下、思考など知力の低下、他人との関わり合いを避けるなど、コミュニケーションに支障をきたすといった症状から、認知機能障害として、人格水準の低下をきたすようになります。
治療について
統合失調症は早期に発見し、適切な対処を行えばコントロールして付き合っていける病気です。
この場合、薬物療法とリハビリテーションの組み合わせとなります。薬物療法では、抗精神病薬が使用されますが、副作用の影響が少ないとされる非定型抗精神病薬が主流となっています。
リハビリテーションでは、患者様の気持ちを理解し、自尊心を損なうことなく、生活訓練を中心としていきます。元来本人がもっている能力を可能な限り推進し、社会支援とつながりデイケアや、職業訓練のための作業所の通所をすすめていきます。