双極性感情障害とは
躁うつ病とも呼ばれ、気分障害のひとつにも挙げられています。発症の原因に関しては、うつ病のような環境要因というよりは遺伝的要因が強いとされ、脳内の神経伝達物質であるセロトニンなどが関係しているのではないかと言われています。
双極という病名からもわかるように、うつ状態と躁状態の極端な症状が交互でみられるようになります。うつ状態については、うつ病の患者様にみられる症状とほぼ同様(気分が落ち込む 等)です。これが躁状態になると、おしゃべりが過ぎる、気分が高揚して陽気になる、次々とアイデアがあふれ出て止まらないといったことのほか、ギャンブルに全財産を賭ける、高価な物を衝動買いするなどの異常行動などもみられるようになります。
躁状態にある双極性障害の患者様でよくみられる症状
- 落ち着きがなくてじっとできない
- いつまでも話を続ける
- 常にテンションが高い
- 怒りっぽい
- 睡眠時間が短くても平気
- アイデアが次々と浮かぶも最後までやり遂げられない
- 自信満々になる
- 注意力が散漫
- 衝動買いをしてしまう
- ギャンブルに大金を投じる 等
双極性障害の種類について
この双極性障害に関しては、定期的に躁状態とうつ状態を繰り返す双極性Ⅰ型障害と、うつ状態は深刻でも躁状態は軽度な状態(軽躁)である双極性Ⅱ型障害に分けられます。なおⅡ型の場合、軽躁状態であることを患者様ご自身や周囲の方々も気づくことができず、最近は調子がすこぶる良いくらいにしか感じないこともあります。
また双極性障害とは診断されませんが、軽度な躁状態と軽い抑うつ症状を繰り返すこともあります(主に2年以上)。これを気分循環性障害と言います。治療をする場合は、双極性障害の患者様とほぼ同じ内容になります。
治療について
治療に関してですが、薬物療法が中心となります。この場合、主に気分安定薬(炭酸リチウム)を使用していきます。躁状態が強くみられるのであれば、抗精神病薬を使うこともあります。
また精神療法として、認知行動療法を行います。また、病気や使用する薬物、再発するリスクなどを理解し、しっかり双極性障害と向き合う心理教育も大切です。